本文へスキップ

東京都立大学 大学院システムデザイン研究科 機械システム工学域
東京都立大学 システムデザイン学部 機械システム工学科

熱物質移動
     研究室

研 究research

私たちの研究室では、熱工学と光工学を基盤として,微小領域の熱と物質の輸送現象に関する研究に取り組んでいます。具体的には主に以下のテーマに取り組み、反応や拡散といった物理化学の学理から,マイクロ化学分析・合成や燃料電池などの実用分野までの幅広い分野への貢献を目指しています。


近赤外分光技術を応用した微量水溶液の濃度と温度の同時イメージング

 ガラスやプラスチックなどに密閉された微量な液体に対して、成分濃度や温度を同時に画像化することは極めて困難でした。本研究では,水の近赤外吸収特性を利用した,完全非接触の濃度と温度の同時イメージング法を開発し、マイクロ流体デバイス内の物質濃度と温度を測定しています。





液液界面での化学反応時の不安定性現象の可視化と分析

 液体同士の拡散や化学反応が始まる界面状態の理解は、混合・反応デバイスの設計と制御にとって重要です。界面は様々な駆動力によって不安定化するため、本研究では可視化と発生条件の分析を行っています。
   

誘導加熱された磁性体の発熱特性と熱輸送現象の解明

 磁性粒子の誘導加熱はハイパーサーミア(癌温熱治療)などへの応用が期待されていますが、誘導加熱による発熱や温度分布の定量的予測は極めて困難です。本研究は、近赤外吸収イメージング技術により磁性体周囲に形成される温度分布を求め、磁場条件と発熱量の関係を明らかにします。

      


マイクログローコロナの分光分析応用

 グローコロナは微細電極先端に形成される安定なマイクロプラズマですが、応用された例はありませんでした。本研究は、グローコロナの電気および発光特性を明らかにし、物質との接触による成分分析、改質、微細加工などへの応用を目指しています。

              
    


磁性粒子近傍の温度イメージングと化学反応応用

 磁性粒子は外部からの磁場印加によって発熱し、近傍の液体温度を上昇させます。これによってマイクロ流路内や培養細胞の局所加熱が可能となります。また、化学反応の生起や促進も期待されます。本研究は、リアルタイムで温度分布をモニタリングし、熱的効果の調査およびその制御に取り組んでいます。

  

生体血糖値の測定技術の開発研究

 非侵襲(生体を傷つけない)で血糖値を測定する技術が長年求められていますが、決定的な方法はまだ確立されていません。近赤外光は生体透過性が高く、グルコースの吸収もあることから、有望な方法とされてきましたが、実際のヒトを測定するには様々は課題があります。本研究は、多点・多波長測定と機械学習を応用した新たな測定法の開発に取り組んでいます。


開放空間の水蒸気イメージング

 水蒸気の分布や流れは目で見ることはできません。パイプやセル内の水蒸気を検出する光技術はありますが、本研究では近赤外分光技術を応用し、一般の室空間での水蒸気分布を可視化する技術の開発に取り組んでいます。可搬で簡便な測定システムによって、水蒸気の漏れや発生、空調吹出流を可視化することを目指しています。

ナース